お金のお話 その6
【借金ぐるぐる競争ゲーム】の今
とらごろがベンチまでやってきました。
今日はカリカリをくわえています。
これもらったんだ!
おー、カリカリじゃな。
いつもくれる人がおるのぉ。
最近、カリカリをくれたりチュールをくれたりする人が増えておる。
ありがたいのお。
そうなんだ、ボクたちに会いに来る人間がたくさんいるよ。
わしたち猫に会うと落ち着くのかもしれないのぉ。
わしたちは人間社会と関係なくのんびる過ごしておるからな。
え、人間はのんびり過ごせないの?
いつでものんびり過ごすことはできる。
じゃが、のんびり過ごすと罪悪感を持ってしまう人間が多いのではないかな。
ちょうど今日話そうと思っていた話にも関係する。
今日は、【借金ぐるぐる競争ゲーム】の続きだったね。
ちょうろは昔【借金ぐるぐる地獄ゲーム】と呼んでいたんでしょ?
そうじゃな。そう呼んでおった。
今からだいぶ昔の話じゃがな。
今でも時々そう呼びたくなる。
けれど、人間がすることにいちいち腹をたてていてもしょうがない。
だからわしはいつもどおり猫の人生を楽しもうと決めたのじゃ。
そうだったんだね。
よし、じゃあ今日のお話をはじめようか。
銀行がお金を貸す時に金利をとるんじゃったな。
そして、銀行にお金を貸している人にも金利が与えられると言った。
【借金ぐるぐる競争ゲーム】では、みんなが競争してすごい勢いで成長するゲームになった。
何回も言っておるが、その結果みんなはとても豊かになったのじゃ。
小さな子どもが一気に大人になるようなものじゃ。
しかし、前にも言ったようにこれはやり続けなければいけないゲームなのじゃ。
自然災害や病気が流行ったりしても続けなければならない。
いろんな国が同時にやっているゲームだから国同士の力も関係してくる。
この仕組みだとお金が膨れ続けなければならない。
銀行はあらゆる人にお金を貸し続けなければならないんじゃ。
さて、こうなると元あったみんなのお金はどうなっておるじゃろ?
え?そりゃそのままあるんじゃないかな?
銀行が作るゼロに戻るお金と、元からあったお金に区別はないぞ。
同じ数字じゃ。引き出したらお札やコインとして使える。
貸し出しているお金が元のお金の何倍、いや何十倍にも膨れ上がったら、、、
お金はほとんどすべて借金のお金になってしまったの!?
そうじゃ!!
【借金ぐるぐる競争ゲーム】をしていると、お金=数字=借金になってしまうのじゃ!!
今という時代では、お金=誰かの借金なのじゃ。
これはよく考えるとすごいことじゃと思うぞ。
借金は返すとどうなるんじゃった?
消えるんだよね。
ていうことは、みんながお金を返したらほとんどのお金が消えちゃうってこと?
そうなんじゃ。
逆に考えると、借金が残っているからこそ、今みんながお金を使えておる。
誰かがお金を返している途中なわけじゃ。
もちろん銀行は、借金を返されるより貸す量を増やそうと競争しておる。。。
けれどな、、、
もう無理なんじゃ。。。
まあ、無理になりそうだよね。
そうじゃ。
みんながすでに豊かになってしまっておるから、簡単にお金を借りてくれる人が減ってしまったんじゃ。
子どもの時は成長するためのエネルギーがほしいから、みんなお金を借りてくれたんだ。
けれど、大人になったらそれほどエネルギーはいらなくなる。
それでも、無理やりたくさん食べ続けないといけないゲームをやっておるのじゃ。
お腹いっぱいになっても食べ続けないといけないのか、、、
たしかに【借金ぐるぐる地獄ゲーム】な気がしてきたよ。
そうじゃ、やめたらいいだけだとわしも思う。
けれど、人間は自分たちが【借金ぐるぐる競争ゲーム】をやっていることをわかってないようじゃ。
生まれた時から、世の中はこういうものだというふうに教えられて、お金の仕組みを知る機会がないのだと思うぞ。
このゲームはすこし考えただけでも無理があるとわかるじゃろう。
実際に、このゲームをはじめた銀行自体がとても困っておると思う。
なんとしてでもお金を貸し続けないといけないんだから。。。
これまで交換されてこなかった【価値】を無理やりに作ってでもお金を貸そうとしておる。
借りる方も同じじゃ。
すでにお腹がいっぱいだが、なんとか新しい【価値】を生み出す競争をしておる。
ボクたちは、お腹いっぱいになったら食べないよ。
すごくお腹が空いてる時には競争したりけんかしちゃうけど、、、
お腹すいてない時はみんなである分を分け合うけどなぁ。。。
人間も本来そうじゃと思うんじゃが、、、
けれど、なぜか競争しなければいけないと思いこんでおるのじゃ。
もしかしたら【競争ゲーム】が大好きなのかもしれないが、わしにはわからない。
実はな、このゲームは何度も破綻しておるのじゃ。
お金の量と実際のモノ・コトのバランスがおかしくなって金融崩壊というものを引き起こしておる。
何度も破綻しておるのに、それでもこのゲームをやめようとしない。
ちょうろが言うように、環境破壊や戦争、貧富の格差ってやつもこのゲームに関係してそうだな。
このゲームをやめたらすべてがなくなるかどうかはわからない。
仕組みが先か、その仕組みを作り出しておる考えが先かという話しになるからのぉ。
【所有ゲーム】や【競争ゲーム】の考えが根深いと、
今のお金の仕組みを変えても結局は別の形で同じようなゲームを作り出すと思うのじゃ。
みんなが当たり前に、持つ物がより多く持ち、持たない者はより少なくなると思い込んでおる。
それは自然の摂理とは違うと思うのじゃが、、、
けど、人間ってすごく頭がいいから新しい別のゲームを作るんじゃないかな?
そうなっていくかもしれん。
みんながどこかで次のゲームを望んでいるように思うからな。
実際、今の日本では【借金ぐるぐる競争ゲーム】の上に無理やり別のゲームを重ねておるぞ。
これは新しい別のゲームではなくて、銀行が借金からお金を作るという意味では同じなんじゃが。。。
今から30年ほど前に日本のお金のバブルが大きくはじけたんじゃ。
それ以降、銀行はお金を貸す相手がいなくて困っておる。
みんなはお金を借りるよりも、借金の返済に追われてしまっておる状況じゃったからな。
みんなが借金を返したらお金の量自体が減ってしまう。
だから、みんなに変わって政府が借金するようになってきたんじゃ。
政府がお金を借りるってどういうこと?
このゲームはさらに複雑になっておるから説明が難しい。
簡単な説明になってしまうから、詳しくは自分でも調べてほしいんじゃが、、、
政府は国債というものを使ってみんなからお金を借りるんじゃ。
(国債は政府が銀行からお金を借りる形で発行される)
銀行は政府にお金を貸すときに、ゼロに戻るお金を作り出すのじゃ。
これでお金の総量は増えるじゃろう。
逆に、銀行は政府の借用証書である国債を持つことになる。
この国債にももちろん金利がついておる。
銀行は日本という国が潰れない限り安定して金利を受け取ることができるのじゃ。
政府は、借りたお金で道路を作ったり、国民の社会保障にまわしたりするのじゃ。
そうすると、お金は国民の間に流れていって、最終的には国民の財産(預金)になるわけじゃ。
つまり、
政府の借金=国民の財産(預金)
となる。
政府の収入って税金だよね?
国債は借金だから、収入をやりくりして借金を返さないといけないんじゃないの?
良い質問じゃ。
普通はそう考えるの。
だが、思い出して欲しいのじゃ。
借金は返すとゼロに戻るんじゃろ?
政府の借金=国民の財産(預金)
なんじゃぞ。
政府が税金をうまくやりくりして国債を返すとどうなる?
えっと、政府の借金が消える。
政府の借金は国民の財産(預金)だから、国民の財産も消えちゃうの!??
そうなんじゃ。
摩訶不思議じゃろ?
税金でお金を返してはいけないんじゃ。
そもそも誰もお金を借りてくれなくて、お金の量が減ってしまうから政府が借金でお金を作ったんじゃろ。
じゃ、政府が借金をし続けないといけないってこと?
そうじゃな、今のままだとそうなると思うぞ。
誰かが借金しないといけないルールだと、政府は借金する必要がある。
【借金ぐるぐる競争ゲーム】を続けていくならば、、、
ここでは政府の借金についてはあまり深堀りはしないが、
政府の借金が膨れ上がっても、日本はそう簡単には破綻はしないことを言っておかねばならんな。
政府は国民の代表だから、政府=国民なんじゃ。
政府が国債という借金をしている相手も、日本の銀行=日本の国民じゃ。
*銀行を通じて国債という債権を買っているのもほとんどが日本の国民
日本をひとつの家族として見たら、家族同士でお金を貸しあっている状態だといえる。
今のルールでお金の量を増やしたいなら、誰かが借金しなければいけないだけなんじゃよ。
だからそれを続けても破綻はしないのじゃ。
もし、政府が外国に対して借金をしていたら破綻してしまう。
ギリシャやアルゼンチンという国は、別の家族からお金を借りている状態なんじゃ。
だから破綻したのじゃ。
それじゃ、このまま借金を増やしてもいいと考える人もいるかもしれないが、、、
日本というひとつの家族の中でも、【借金ぐるぐる競争ゲーム】はしているんじゃよ。
家族同士でお金を貸しあっているというが、その結果は持っている人がより多く持ち、持たない人はより少なくなってしまっておる。。。
同じ家族なのにのぉ。。。
政治がうまく機能して、国債で借りたお金をゲームに負ける多くの人のために使えばなんとかなるかもしれないな。
けれど、現実は強い人たちが政治を回して、作ったお金はバクチのような場所ばかりに流れておる、、、
うーん。。。どうしたらいいんだろ。。。
なんか複雑になってきて頭がこんがらがってきちゃったな。
おー、すまんすまん。
すこし興奮して次々と話してしまったの。
次回は今回の話をすこし整理しながら、どうしたらいいのかを考えてみようかの。
お金のお話 その6 簡単まとめ
【借金ぐるぐる競争ゲーム】の今
このゲームを続けて、お金が膨らむと、、、
ほとんどのお金=借金のお金、になる
そして、ゲームは定期的に破綻する。
それでもルールを変えずに続けている。
今の日本では、、、
銀行がお金を貸す相手がいなくなってしまった。
政府が国民に替わって銀行に借金している。
政府にたいして、銀行がゼロから作るお金を作り出している。
政府は借りたお金で公共事業などを行い、国民にお金を流している。
政府の借金=国民の財産(預金)
政府の借金は国民の財産なので、政府の借金を返したら国民の財産(預金)が消える。
政府は借金をし続ける必要がある。
政府は、国民からお金を借りているだけなので、政府の借金が増えても破綻はしない。
家族の中でお金の貸し借りをしているようなものだから。
だから、このままの仕組みでもいいじゃないかと言う人がいるが、、、
政治がうまく機能すれば、ゲームに負けた国民にもお金を流すことは可能だが、、、
実際は、株や大手企業など一部の人たちにお金が流れている。
家族の中で、貧富の差が拡大しつづけている状況。
そもそも、銀行が誰かに貸し出すときにお金を作り出すルールが必要なのだろうか??
さて、今回はすこし長くなってしまいました。どうだったでしょうか?
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
次回もよろしくおねがいします。